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長尾 誠也; 中口 譲*; 鈴木 康弘*; 平木 敬三*; 藤嶽 暢英*; 小川 弘道
Proceedings of International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements (ICOBTE2001), P. 666, 2001/00
地下水中に溶存する高分子電解質の腐植物質は、放射性核種と錯体を形成するために地下環境における放射性核種の移行性に影響を及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、沿岸付近での処分場を想定した場合に必要となる塩水地下水におけるAmと腐植物質との錯体特性を把握するために、塩水地下水から分離精製した腐植物質を用いて錯体実験を行い、分子サイズを基に腐植物質が共存した場合のAmの存在形態を調べた。その結果、pH710の人工海水において、腐植物質が存在しない場合には85100%のAmは孔径450nmのフィルターに捕集される粒子態として存在したが、腐植物質が存在する場合には、Amは腐植物質と錯体を形成するために粒子態Amの割合は30~60%と減少することが明らかとなった。また、溶存成分のAmは、主に、分子サイズ3万~1万と5千以下に存在し、フミン酸とフルボ酸により違いは認められなかった。これは、フミン酸とフルボ酸の構造特性が比較的似ているためと考えられる。